原油価格の変動要因
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2019年は株式市場に大きな波乱があると言われていますが、中国経済、米中対立、ブレクジット、ドイツ銀行問題、米国国境の壁問題、米国債償還問題、トランプ大統領のロシアゲート問題等確かに波乱要因を挙げればキリがありません。

しかし、ほとんど材料視されてはいませんが、原油は非常に波乱要素を含んだコモディティであると、敢えて注意喚起したいと思います。

現時点ではWTI原油価格が$50台で推移し、連動性の高い新興国通過不安は解消方向です。

しかし、原油は株式市場にもっとも影響を与えるコモディティであることは事実で、今後原油価格が下落する要素が世界経済には溢れています。


国際政治・地政学リスク
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複眼経済塾のアナリストであるエミン・ユルマズ氏は「原油は政治や地政学の影響を受けて変動する」と指摘していますが、だとすれば、ますます価格下落が濃厚になっています。

ユルマズ氏は現在の原油価格の低迷は、トルコでのカショギ氏殺害事件の影響で、米国とサウジアラビアの関係が悪化したことが要因と指摘しています。

実際原油価格は10月あたりから下げに転じていると指摘していますが、この指摘は不十分だと思います。

今回WTI原油が2018年10月3日の$76から12月24日の$42までの下落要因は、10月3日のカショギ氏暗殺事件が発生したと同時に10月4日のワシントン・ハドソン研究所におけるペンス米国副大統領演説にあることは明白です。

むしろ、事件発生時点ではサウジの関与は疑われていなかったわけで、むしろ大きく下げた4日は原油のみならず株式市場も下げに転じています。

米国ペンス副大統領演説

この演説によって中国を名指しで鋭く批判し、以降の対中政策の方針を示したことが、折しも米中貿易戦争の最中であったこともあいまって、マーケットに大きく影響したとみるべきではないでしょうか。

中国は原油の最大級の消費国でもあり、その中国経済が米中貿易戦争により打撃をうけるとなれば、コモディティ価格は一斉に反応します。

現在では$50台(WTI原油価格)まで戻していますが、米中貿易の妥協点に「米国からのシェールの大量購入」があると思われ、これは今後の原油価格に大きな影響を与えることは必至です。


また現在の米国とOPECの関係は非常に微妙で、OPEC加盟国では「これ以上の減産は米国にシェアを奪われるだけ」ということで、サウジに対する批判も多くなっています。

そのサウジは、産油国からの転換を目指して投資を続け国家財政は非常に厳しい状況に陥っています。


中東ではイランが減産していないために軋轢がまし、南米ではベネズエラが世界最大級の原油埋蔵量ながら国家はハイパーインフレに見舞われ政治状況は破綻しています。

つまり、米中貿易問題と米国とサウジの関係悪化という二つの大きなリスクを抱えた原油は、2019年後半には暴落の可能性が非常に高くなっていると思われるので要注意ですね。


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